日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュンブラット」の意味・わかりやすい解説
ジュンブラット
じゅんぶらっと
Kamāl Jumblāt
(1917―1977)
レバノンの政治家。イスラム教ドゥルーズ派(ドルーズ派)名門の出身。パリで文学と哲学を、ベイルートで法学を学ぶ。1940年代なかばから政治活動に入り、1949年には社会改革を唱える進歩社会党(PSP)を設立した。1947年以後国会議員に選出され、しばしば閣僚となる。1950年代にナセルのアラブ民族主義に共鳴、1960年代にはますます左翼化し、レバノンのアラブ民族主義勢力を結集した国民戦線の指導者となり、パレスチナ抵抗運動を支持した。1975年の内戦ではシャムウーンらと対決。1977年3月何者かに暗殺された。長男ワリドがPSP党首となった。著書に『レバノン革命の真実』『レバノン政治の潮流』がある。
[木村喜博]