ジョンストン器官(読み)ジョンストンきかん(その他表記)Johnston's organ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョンストン器官」の意味・わかりやすい解説

ジョンストン器官
ジョンストンきかん
Johnston's organ

昆虫触角の第2節すなわち梗節にある機械的受容器官。放射状多数弦音器官が配列されたもので,自己の触角の運動を感受するとともに,風圧,気流振動などの刺激を受容する。カ,ユスリカなどの雄で特によく発達しており,またミズスマシはこれで水の振動,波動を感受する。

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世界大百科事典(旧版)内のジョンストン器官の言及

【弦音器官】より

…鼓膜器官以外には,比較的少数の感覚子からなる弦音器官が触角や足などの体の関節近くにあり自己受容器として働くが,羽の動きを受容するものもある。多数の感覚子が集まってできた弦音器官としては,鼓膜器官のほかに膝下(しつか)器官subgenual organ,ジョンストン器官Johnston’s organがある。膝下器官は足にあり,床の振動の敏感な受容器であり,ジョンストン器官は触角にあり,一般には重力その他の加速度受容に関係するといわれているが,カやハエなど双翅(そうし)類では聴覚器として働く。…

【振動覚】より

…昆虫では直翅(ちよくし)類の尾毛も振動感覚器である。ミズスマシの触角のジョンストン器官は特殊な例で水面の振動の感覚器となっている。脊椎動物ではパチニ小体Pacinian corpuscleが振動の感覚器である。…

【聴覚】より

…このほかにハエやカは羽音を聞いて応答することが知られている。聴覚器官は触角にあるジョンストン器官Johnston’s organである。羽毛状の触角が羽音のような低周波音に共鳴し,これが触角基部のジョンストン器官を刺激する。…

※「ジョンストン器官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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