改訂新版 世界大百科事典 「ジンツハイマー」の意味・わかりやすい解説
ジンツハイマー
Hugo Sinzheimer
生没年:1875-1945
ドイツの労働法学者。社会民主主義者で,ワイマール憲法に生存権,労働者の経営参加などの条項を盛り込むことに尽力した。1920年よりフランクフルト大学教授として,カスケルらの解釈学的労働法学を批判,法社会学的方法に基づく新たな労働法学の樹立を唱えた。ギールケの団体法論を援用しつつ,労働法を団体法としてとらえた。ユダヤ人であったため,ナチ政権に追われてアムステルダム大学教授となった。C.シュミットが《ドイツ法学におけるユダヤ人》でユダヤ人法学者を攻撃したのに反論して,シュタール,ゴルトシュミット,デルンブルク,ラーバント,イェリネック,エールリヒらの功績を強調した。主著は《労働法原理》(1921)。
執筆者:長尾 龍一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報