日本大百科全書(ニッポニカ) 「スイセンアブバエ」の意味・わかりやすい解説
スイセンアブバエ
すいせんあぶばえ / 水仙虻蠅
narcissus bulb fly
[学] Merodon equestris
昆虫綱双翅(そうし)目短角亜目ハエ群アブバエ科に属する昆虫。スイセンハナアブともよばれる。体長13~14ミリメートルで、体は鈍い黒色。頭部前額(ぜんがく)と顔面には灰黄色の細毛がある。胸部背面と腹部の細毛の色相には変化が多く、灰褐色ないし黒色。脚(あし)は黒色、後脚腿節(たいせつ)は太く、後脚脛節(けいせつ)中央の内側はこぶ状に膨れ、末端の内側には長い角(つの)状突起があり、外側には板状突起がある。ヨーロッパでスイセン、ユリ、グラジオラス、アイリスなどの球根を食害する害虫として悪名が高い。日本では、1953年(昭和28)に横浜で発見されたことがあるが、現在は定着していないようである。日本でスイセンに加害するものはハイジマアブバエである。
[伊藤修四郎]