スウィート病
スウィートびょう
Sweet disease
(皮膚の病気)
発熱と血液中に好中球(白血球の一種)の増加を伴って急に発症する、隆起性の紅斑を特徴とする病気です。
細菌などに対して好中球の機能が高まって生じる過敏反応と考えられます。約20%の症例で血液疾患や悪性腫瘍を伴います。とくに白血病や骨髄異形成(こつずいいけいせい)症候群が多く、関連性が注目されています。
上気道感染が先行する例もありますが、39℃前後の発熱とともに顔、頸、上半身を中心に、境界がはっきりした、周囲から隆起した紅斑または毛嚢炎(毛穴の炎症)に似た丘疹が多発し、しばしば痛みや圧痛がみられます(図8)。紅斑の上に水ぶくれや膿疱(膿をもった水ぶくれ)を伴うこともあります。色調は鮮紅色ですが、経過とともに暗紅色ないし紫紅色に変わります。治療をしないと小さくなったり大きくなったりを繰り返します。
皮膚の生検(皮膚を数㎜切り取って調べる病理組織検査)を行い、真皮に好中球やその核の破片が密に浸潤していること、血管炎がないことを確かめます。血液検査では好中球を主体とする白血球数の増加、赤沈やCRPなどの炎症反応の亢進がみられます。時にベーチェット病との区別が難しいことがあります。
高熱や関節痛のために入院が必要になることが多い病気です。治療は、副腎皮質ステロイド薬の点滴注射または内服が一般的です。ヨードカリやDDS(レクチゾール)も多くの症例で有効です。
できれば入院可能な病院の皮膚科を受診します。スウィート病が治ったのちに骨髄異形成症候群などの血液疾患が発症することがあり、注意が必要です。
末木 博彦
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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スウィート病
スウィートびょう
Sweet's disease
中年女性に多く,高熱が持続し,圧迫すると痛みのある浮腫 (ふしゅ) 性の紅斑 (こうはん) が四肢や顔に多発する。紅斑は暗赤色調で硬くはれ,輪郭部に小さな膿疱 (のうほう) が並ぶこともある。治療をしないと新しい局面を作り,融合する。関節痛や口内炎を伴うことも多く,最近ベーチェット病との関連性が考えられている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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