日本大百科全書(ニッポニカ) 「スカイラーク・シリーズ」の意味・わかりやすい解説
スカイラーク・シリーズ
すかいらーくしりーず
Skylark Series
スペース・オペラの父といわれるアメリカのSF作家E・E・スミスのSF。とくに第1巻『宇宙のスカイラーク』(1928)はSF史上初めて人類が銀河系宇宙を越えて他の島宇宙にまで突入した記念すべき作品。天才的科学者=アクション・ヒーローというスペース・オペラの定石もこの作品から流行する。超光速宇宙船スカイラーク号を開発した青年科学者リチャード・シートンはライバルのデュケーヌ博士によって奪われた恋人を救出するため5000光年かなたの宇宙に飛んでいく。このシリーズはシートンとデュケーヌという善悪の対立が軸になる。第2巻『スカイラーク3号』(1930)では銀河系の征服をたくらむフェナクローン人の打倒が、第3巻『ヴァレロンのスカイラーク』(1934)ではデュケーヌに征服された地球が主題になり、最終巻『スカイラーク対デュケーヌ』(1966)では両者が協力して地球の危機を救うことになる。
[厚木 淳]
『中村能三訳『スカイラーク・シリーズ』全4冊(創元推理文庫)』