スコシヤン洞窟(読み)スコシヤンどうくつ(英語表記)Skocyan Caves

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スコシヤン洞窟」の意味・わかりやすい解説

スコシヤン洞窟
スコシヤンどうくつ
Skocyan Caves

スロベニアの南西部,クラス地方にある洞窟群。スロベニアは国土の約半分が石灰岩からなり,6000以上の鍾乳洞がある。石灰岩台地であるクラス地方はカルスト地形語源ともなった。長さ 5km,幅 230mにわたる洞窟は古生代石炭紀に起源をもち,ダンテが『神曲』の「地獄の門」の描写の着想を得た場所とも伝えられる。スネジニク山の雪どけ水を集めたレカ川が洞窟内の深さ 130m地点を流れ,イタリアのモンファルコーネで地上に現れる。洞窟内には地底湖 (ドリーネ) や滝,古くは 10万年前のものといわれる鍾乳石群,「ルドルフ大聖堂」と名づけられた石灰段丘,巨大な石筍が広がる「大広間」,地質学的には最古の「沈黙の洞窟」などがあってライトアップされている。洞窟内ではまた希少種コウモリの生息も確認されている。 1988年世界遺産の自然遺産に登録。

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