すじこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「すじこ」の意味・わかりやすい解説

すじこ
すじこ / 筋子

サケ、マスの卵巣の塩蔵品。主として、シロザケ、ベニザケ、マスの卵巣を用いる。シロザケの熟卵はイクラにするため、おもにあまり成熟していないものを使う。また、ベニザケは沖どりのため卵巣は未成熟である。これらの卵巣を腹から取り出し立塩(たてじお)漬け、または散塩(ふりじお)漬けでつくる。立塩法は飽和食塩水に30分余浸漬(しんし)したのち水きりし、3%程度の食塩を加えて10日ほど保存すると塩がなじみうま味を増す。製品の発色をよくするため亜硝酸ナトリウムを添加することが多いが、添加量は製品1キログラム当り亜硝酸根として0.005グラムまでと規制されている。散塩法は12%内外の食塩をふりかけ1週間程度塩蔵後、水きりし、3%程度の食塩を加えて包装し、冷蔵庫に貯蔵する。国産原料の不足に伴いアラスカの缶詰工場その他から原料を輸入している。タンパク質、脂質に富み、栄養価は高いが、食塩を10%前後含むため、取りすぎには注意がいる。そのまま食べたり、だいこんおろしと和(あ)えたものは酒の肴(さかな)に向く。またカナッペにしてもうまい。

[金田尚志]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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