ロシア語で魚卵の意であるが,日本ではサケ,マス類の卵の塩蔵品で卵粒が1粒ずつ分離しているものをいう。漁獲後数時間以内の新鮮な卵巣を網の上でもみほぐして卵粒をとり,これを飽和食塩水中に20分ほど浸して汚物などを除くとともに塩分を付与する。これを3時間水切りして包装,冷蔵する。流通保管温度は-4℃前後が望ましい。赤紅色で粒に張りがあり,特有の濃厚な味とにおいのするものが良品で,表面が乾き,苦みや油焼け臭のするものは良くない。そのまま,あるいは大根おろしであえて酒のさかな,すし種,カナッペなどとする。成分は筋子とほぼ同様と考えられ,タンパク質25%,脂質15%,ビタミンA500IU,B10.5mg,B20.4mg,食塩4.8%を含む。
執筆者:平野 雄一郎
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