スズミグモ(読み)すずみぐも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スズミグモ」の意味・わかりやすい解説

スズミグモ
すずみぐも / 涼蜘蛛
[学] Cyrtophora moluccensis

節足動物門クモ形綱真正クモ目コガネグモ科に属する陸生動物。熱・暖帯地方に広く分布し、日本には本州南岸までみられる。体長は雌14ミリメートル、雄4ミリメートルくらいで、褐色黒色、赤褐色の腹背に白い複雑な斑紋(はんもん)がある。色彩や斑紋は生息地域によって変化に富み、それぞれが別種や別亜種とされることがある。腹部両肩に一対の円錐(えんすい)状突起のあることが共通した特徴である。網は直径80~100センチメートルくらいの大きいドーム形で2、3ミリメートルの細かい目で構成されている。糸にはまったく粘性がないが、網の目が細かいので昆虫などは容易に絡みつく。夏にドーム網の上方に、片面が扁平(へんぺい)、片面が膨らみのある長い卵嚢(らんのう)を取り付ける。

[八木沼健夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android