日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタンホープ」の意味・わかりやすい解説
スタンホープ
すたんほーぷ
Charles Stanhope, 3rd Earl Stanhope
(1753―1816)
イギリスの政治家、科学者。スタナップともよばれ、イギリスの政治家スタンホープ伯爵の3代目にあたる。1776年から政界に活躍するかたわら、科学の研究や発明に没頭した。計算機、顕微鏡、楽器の調律器などの発明、『電気の原理』の刊行(1779)など広範な業績がある。もっとも有名なのは、レバー運動とねじ運動とを組み合わせた鉄製印刷機(スタンホープ印刷機)の発明(1800)で、タイムズ社その他の新聞社、印刷業者に採用された。なお、1850年(嘉永3)オランダ船から幕府に寄贈されたスタンホープ印刷機は蕃書調所(ばんしょしらべしょ)と維新政府の文書印刷に使用され、現在は東京・市谷(いちがや)の財務省(旧、大蔵省)印刷局記念館に保存されている。
[山崎俊雄]