スチビン

化学辞典 第2版 「スチビン」の解説

スチビン
スチビン
stibine

スチバンSbH3の水素をアルキル(またはアリール)基で置換した有機アンチモン(Ⅲ)化合物の総称.トリフェニルスチビン(C6H5)3Sbなどがよく知られた化合物である.【水素化アンチモン(antimony hydride),スチバン(stibane).SbH3(124.78).無色の分解しやすい気体.融点-88 ℃,沸点-18 ℃.水に微溶,エタノール,二硫化炭素にきわめて易溶.燃えると青色の炎を出し,アンチモン鏡を生じる.硝酸銀溶液に通すとアンチモン化銀Ag3Sbが沈殿するが,硝酸銀とさらに反応し,銀とアンチモン(Ⅲ)酸にかわる.アンチモン亜鉛合金を塩酸または希硫酸に溶かしてスチビンを発生させる.アンチモン化合物を含む溶液に発生期水素を生じさせると,水素とともに得られる.有毒.[CAS 7803-52-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスチビンの言及

【アンチモン】より

…アルカリ金属,アルカリ土類金属,銀などとはMI3SbやMII3Sb2の組成をもつアンチモン化物をつくる。これらを加水分解すると毒性の強い気体スチビンstibine(SbH3)を生成する。またV族の金属であるのでGaSb,(Ga,Al)SbのようなIII‐V化合物半導体がつくられ,近年重要性を増している。…

※「スチビン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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