改訂新版 世界大百科事典 「スハウテン」の意味・わかりやすい解説
スハウテン
Willem Cornelius Schouten
生没年:?-1625
オランダの航海者。1616年南アメリカ最南端のホーン岬を迂回して太平洋に至る航路を発見した。当時アフリカ南端の喜望峰と南アメリカ南端のマゼラン海峡の通行権はオランダ東インド会社が握っており,他のオランダ人には通過の自由がなかった。太平洋貿易参入をめざすアムステルダムの商人イサーク・ル・メールは,太平洋への第3の航路発見のため,名高い航海者であったスハウテンを船長とし,自分の息子ヤコブを隊長とする探検隊を1615年にオランダから出発させた。彼らはホーン岬通過後,トゥアモトゥ諸島,トンガ諸島,ニューギニア北岸を経て太平洋を横断した。ホーン岬の名はスハウテンの生地ホールンにちなんだ名で,またニューギニア北岸には彼の〈発見〉になるスハウテン(スクーテン)諸島がある。
執筆者:石川 栄吉+斉藤 尚文
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報