スペイン語ではエストレチョ・デ・マガヤーネスEstrecho de Magallanes。南アメリカ大陸とティエラ・デル・フエゴ島との間にあり,太平洋と大西洋とを結ぶ。全長は約600km。大西洋側の入口の部分がアルゼンチン領であるほかは,すべてチリ領。海峡の主要都市としては大陸側にプンタ・アレナス港,ティエラ・デル・フエゴ側にポルベニル港がある。大西洋側入口からほぼ中間地点のフロワード岬までは海峡は幅も広く両側も平たんであるが,この地点から太平洋にぬける部分は狭いフィヨルド状の水路となり,島も多く,両岸には雪山が連なる。1520年マゼランによって発見された。1843年チリ政府はこの海峡の領有を確定するため,海峡の中間地点にブルネス要塞を築き,さらにその6年後プンタ・アレナスを建設した。パナマ運河の建設までは太平洋と大西洋を結ぶ重要な航路としての役割を果たした。
執筆者:細野 昭雄
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南アメリカ南端部の本土とフエゴ島とを分ける長さ583キロメートルの狭い海峡。スペイン語ではマガリャネス海峡Estrecho de Magallanesという。沿岸一帯は一部のアルゼンチン領を除き大部分がチリに属す。1520年マジェラン(マゼラン)によって発見されて以来、大西洋と太平洋を結ぶ航路として利用されてきたが、パナマ運河の開通によって重要性を失った。海峡の東半は幅がやや広く、両岸には緩く波打った平原が続くが、西半は両岸に切り立った山地が迫るフィヨルド状の狭い水路をなす。東部では最大13.5メートルに及ぶ潮差とそれによる速い潮流、西の出口付近では強い偏西風による恒常的な暴浪にみまわれるなど、航行には多くの困難が伴う。東部沿岸の平原はヒツジの放牧を行う大規模牧場(エスタンシア)地帯であるとともに、チリでもっとも重要な油田地帯でもある。海峡のほぼ中ほどに、これらの産物の積出し港としてにぎわうプンタ・アレナスがある。
[松本栄次]
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…ペルー副王フランシスコ・デ・トレドの要請を受け,スペイン人のペルー征服を正当化する目的で《インカ史Historia de los Incas》を著した。79年イギリスの海賊F.ドレークの進路を断つべくマゼラン海峡へ赴いた。同海峡の植民地化を主張するサルミエントは,80年に本国に戻り,艦隊を率いて84年に海峡に到着して2都市を建設したが,結局挫折。…
※「マゼラン海峡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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