最新 地学事典 「スピネル中の鉱物包有物」の解説
スピネルちゅうのこうぶつほうゆうぶつ
スピネル中の鉱物包有物
spinel-hosted mineral inclusion
超苦鉄質─苦鉄質層状貫入岩体,オフィオライト,中央海嶺,前弧,背弧などさまざまな環境のクロミタイトやかんらん石に富む深部岩石のスピネル中に産するNaやMgに富む鉱物群からなる特異な包有物。一般的には直方輝石,パーガサイト質角閃石,Na-K金雲母,Naに富む斜長石で,他にCaに富む単斜輝石,かんらん石,ひすい輝石,ネフェリン,イルメナイト,ルチル,りん灰石,ジルコンなど。同一岩石中のスピネル以外の鉱物にこのような包有物は産出しない。スピネルに捕捉されたMgとNaなどの液相濃集元素に富むメルトから晶出したものとされる。しかし,苦鉄質マグマと珪長質マグマの混合,苦鉄質マグマによる珪長質岩類の同化,マントルかんらん岩と苦鉄質メルトの反応など,さまざまな成因論が提案されている。
執筆者:前田 仁一郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

