ルチル(その他表記)rutile

翻訳|rutile

精選版 日本国語大辞典 「ルチル」の意味・読み・例文・類語

ルチル

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] rutile ) チタン酸化鉱物。化学式 TiO2 チタンの原料になる。ふつう正方晶系屈折率が高く、純度の高い無色の合成品はダイヤモンド代用品(チタニアダイヤ)になる。金紅石。〔金の塔(1953)〕

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最新 地学事典 「ルチル」の解説

ルチル

rutile

化学組成TiO2鉱物。金紅石とも。正方晶系,空間群P4/mnm, 格子定数a0.458nm, c0.295, 単位格子中2分子含む。通常柱状結晶,柱面に縦に条線がある。(011)双晶多い。劈開{110}明瞭,断口貝殻状・亜貝殻状,脆弱,硬度6~6.5, 比重4.23(純TiO2),4.2~4.4(含鉄),4.2~5.6(含Nb, Ta)。ダイヤモンド光沢,赤褐・赤・帯黄・帯青・紫・黒・緑色,条痕褐~黄または灰~帯緑黒色(Nb, Ta)。薄片中通常赤または赤褐色,一軸性正,吸収E>O,屈折率は造岩鉱物中最高ω2.6124, ε2.8993, 多色性明瞭ω=黄~赤褐,ε=黄褐黄緑。主成分TiO2中にNb,Ta,Fe2・Fe3を相当量含み,一般式は, x<0.2。少量のSn, Cr, Vを含む。酸に不溶。板チタン石アナターゼ多形,ルチルはこの両鉱物よりはるかに多く,普遍的に産出変成岩・火成岩中に広く分布し,りん灰石と脈状に共生することが多い。名前はラテン語rutilus(赤)に由来。

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改訂新版 世界大百科事典 「ルチル」の意味・わかりやすい解説

ルチル
rutile

金紅石ともいう。チタンの重要な鉱石。化学組成はTiO2であるが,TiはNb,Ta,Fe2⁺,Fe3⁺により一部置換されている。また,アナタースanatase鋭錐石ともいう),ブルッカイトbrookite(板(いた)チタン石ともいう)とは多形の関係にある。正方晶系。柱状,針状,しばしば輪座双晶を示し,もろい。赤褐色,赤色,ときに黄色,紫色,Fe3⁺,Nb,Taを含むものは黒色。ダイヤモンド光沢ないし金属光沢。モース硬度6~6.5。比重4.23。条痕は淡褐色,黄色。ルチルは種々の深成岩,変成岩,また,ペグマタイトなどに少量含まれているが,世界のルチルの大部分はオーストラリア東部海岸の砂鉱床から生産されている。合成ルチルはチタニヤtitaniaと称し,ダイヤモンドの代りに装飾品として用いられる。
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化学辞典 第2版 「ルチル」の解説

ルチル
ルチル
rutile

金紅石ともいう.天然産のTiO2で,変成岩火成岩中に少量産出する.空間群 P 4/mnmに属する正方晶系の結晶.単位格子中に二つの基本組成を含む.多形として,板チタン石(brookite)(斜方),鋭すい石(anatase)(正方)がある.へき開{110}明瞭.硬度6~6.5.密度4.23 g cm-3.[別用語参照]二酸化チタン

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世界大百科事典(旧版)内のルチルの言及

【結晶構造】より

…一つの結晶について,その単位胞の定数,その中に含まれる化学単位の数(Z),空間群,単位胞の座標系に対する原子の位置座標などは,その結晶の結晶構造データ(あるいは結晶学的データ)といわれる。一例として,正方晶系に属しTiO2の化学組成をもつルチルのおもな結晶構造データをあげると,単位胞の定数a=4.593Å,c=2.595Å,Z=2,空間群P4/mnmで,原子座標x,y,zとしてはTiが0,0,1/2,Oが0.1945,0.1945,0である。これだけのデータから図1-aに示すようなルチルの構造図(c軸投影)をかくことができる。…

【酸化チタン】より


[酸化チタン(IV)]
 化学式TiO2。構造の違う3種の変態が知られ,いずれも天然にルチル(正方晶系),板チタン石(斜方晶系),アナターゼ(正方晶系)として産する。またチタン鉄鉱の主成分でもある。…

※「ルチル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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