最新 地学事典 「スピノーダル分解」の解説
スピノーダルぶんかい
スピノーダル分解
spinodal decomposition
核形成を必要としない固溶体結晶の相分離。固溶体結晶の非理想性によって,自由エネルギーの化学組成による二次微分が正でない領域が出現する。この二次微分が0となる点の温度圧力変化による軌跡は,スピノーダル曲線と呼ばれる。この曲線は,ソルバスの内側に現れる。ソルバスの外側では,組成のゆらぎに対して安定であり,ソルバスとスピノーダル曲線の間では,ゆらぎに準安定であるが,スピノーダル曲線に囲まれた二次微分が負の領域ではわずかなゆらぎに対しても自由エネルギーが減少するため不安定である。そのため,スピノーダル曲線の内側では,核形成を必要としない分相が生じる。この分解による組織の特徴は,2相が周期的に配列すること,界面がコヒーレントであることなど。天然の鉱物では,急速に冷却した輝石や長石にみられることが多い。
執筆者:北村 雅夫
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

