化学辞典 第2版 「スピンラベル法」の解説
スピンラベル法
スピンラベルホウ
spin labeling
スピン標識法ともいう.タンパク質のような生体高分子または生体膜に,有機ラジカルを結合させ,そのESRスペクトルから対象の局所的分子運動を探索する方法.有機ラジカルとしてはニトロキシド誘導体が多数合成されている.ニトロキシドラジカルのESRスペクトルは不対電子とニトロキシドの窒素核との超微細相互作用のため3本線からなる.
(1)超微細相互作用の大きさからラベルの置かれている環境についての知見,
(2)超微細相互作用や磁気モーメントのg値の異方性から試料内でのラベルの配向に関する知見,
(3)ESRスペクトルの線幅からラベルの運動性および運動のモードについての知見,
などの情報が得られる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報