スプレー塔(読み)スプレートウ

化学辞典 第2版 「スプレー塔」の解説

スプレー塔
スプレートウ
spray tower

噴霧塔ともいう.気体あるいは液体内に液体を微小液滴にして送り込み,両相の間で物質移動を行わせる形式の塔.ガス吸収や放散,液-液抽出などに用いられ,扱う系に適するような種々のスプレーノズルが工夫されている.構造が簡単で建設費は安いが,流れによる逆混合のため,厳密な向流接触操作には適していない.また,物質移動の効率も低い.しかし,吸収によって固体沈殿物が生じる場合や,ガス中の粉じんも同時に除去する場合などには有効な装置として用いられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスプレー塔の言及

【抽出】より

…塔型抽出装置は,油と水のような軽液と重液を連続的に塔内で接触させるもので,軽液を液滴の形で分散相とし,重液を連続相とすることが多い。その基本的な構造は図3のスプレー塔である。スプレー塔は連続相の軸方向の混合が著しく,これが装置の性能を下げる効果があるので,その対策として周壁部に邪魔板を設けて多段型にするくふうが数多く提案されている。…

※「スプレー塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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