スポロキスト(その他表記)sporocyst

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スポロキスト」の意味・わかりやすい解説

スポロキスト
sporocyst

(1) 原生動物胞子虫類にみられる生殖の一期間。接合子接合子嚢の中で分裂し胞子母細胞となるが,その胞子母細胞が胞子となるまでの間に被嚢した状態をいう。 (2) 扁形動物吸虫類カンテツなどの生活史において,ミラキディウムという幼生の体壁にある胚細胞からできる。嚢状消化器排泄器などはなく,体表から栄養を吸収しているような簡単な体である。この体内にはさらにスポロキストをつくることもあるが,幼生生殖で発生すれば次のレディアになる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスポロキストの言及

【キュウチュウ(吸虫)】より

… 二世類の生活史は複雑で,有性生殖と無性生殖の世代交番を行い,その際宿主を転換する。すなわち,成虫から生み出された虫卵は,卵殻内にミラキジウムという幼虫を生じ,これが中間宿主の軟体動物(主として淡水産の巻貝)に侵入して,スポロキストになる。スポロキストは胚細胞で満たされている。…

※「スポロキスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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