吸虫類(読み)きゅうちゅうるい(その他表記)Trematoda; fluke

精選版 日本国語大辞典 「吸虫類」の意味・読み・例文・類語

きゅうちゅう‐るいキフチュウ‥【吸虫類】

  1. 〘 名詞 〙 吸虫類前口亜目に属する扁形動物。旧称ジストマ。人間や家畜消化管に主として寄生するが、肝臓肺臓腎臓などにも寄生してひどい害を与えるものもある。体は扁平で、木の葉状円盤・円筒状など変化に富み、体の前端と腹面とに一個ずつ吸盤がある。この二つの吸盤を口とまちがえてジストマ(二口虫)と名づけた。中間宿主を必要とし、四回も宿主をかえたのちに成虫になるものもある。ほとんど雌雄同体。日本では肺吸虫と日本住血吸虫とが主なもので、後者の害はひどい。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吸虫類」の意味・わかりやすい解説

吸虫類
きゅうちゅうるい
Trematoda; fluke

扁形動物門吸虫綱に属する寄生虫の総称で,おもに脊椎動物に外部寄生あるいは内部寄生する。別名ジストマともいい,単生類,楯吸虫類,二生類に大別される。体は左右相称,背腹に扁平で,体表はクチクラでおおわれ,一般に色素がない。宿主への付着器官として吸盤,鉤,とげなどをもつが,外部寄生虫は内部寄生虫よりもこれらの器官が発達している。口は通常体の前端にあり,腸は二叉状に分れ,肛門はない。生殖孔は口の後方に開く。大部分は雌雄同体で,雌雄の生殖門は合一するかまたは腹面に並んでおり,生殖器系は複雑で変化に富んでいる。内部寄生のものは発生中に単為生殖と両性生殖を行い,また中間宿主と終宿主が異なるので,生活史が複雑である。中間宿主には二枚貝類,甲殻類魚類などが多い。二生類に属するものにはヒトや家畜に大害を与える内部寄生虫が多く,血管系に寄生する日本住血吸虫,肺に寄生する肺吸虫,肝臓や胆管に寄生する肝吸虫肝蛭 (かんてつ) ,腸管に寄生する横川吸虫などがある。感染は淡水・汽水産の魚類,カニなどを生や不完全な調理によって食べることによる場合が多い。世界で約 2400種が知られている。

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栄養・生化学辞典 「吸虫類」の解説

吸虫類

 →吸虫

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