大学事典 「スルタン・カブース大学」の解説
スルタン・カブース大学[オマーン]
スルタン・カブースだいがく
首都マスカットにあるオマーン唯一の国立総合大学。ペルシア湾岸のオマーンでは1970年に現カブース国王が即位し,豊富な石油収入を基盤に近代国家建設のための事業を開始した。教育にも優先的に取り組み,1980年,国王即位10周年のナショナルデーにおいて近代化に必要な専門人材を養成するために大学を設立することを宣言した。1986年,自身の名を冠するスルタン・カブース大学が誕生し,5学部(教育・イスラーム科学,理学,工学,農学,医学)が設置された。翌1987年に人文学部,93年に商業・経済学部の設置が続いた。2015年時点で9学部(農学・海洋科学,人文・社会科学,経済・政治,教育,工学,法律,医学・健康科学,理学,看護),九つの研究センターを擁している。約1万6000人の学生が学ぶ。政府が実施する最終の高校の試験で上位15~18%の学生の入学を許可するなど厳しい入学者選抜が実施されてきた。2015年のQS社の世界大学ランキングでは501-701位に入った。
著者: 和氣太司
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報