海外の第一線で活躍するグローバル人材を集中的に育てる高等学校および中高一貫教育校。2013年(平成25)、第二次安倍晋三(あべしんぞう)政権が打ち出した成長戦略に設置構想が盛り込まれ、2014年度から文部科学省が指定を開始した。英語の頭文字をとってSGHと略称する。英語を中心とした語学力に加え、問題解決能力や歴史・文化などの幅広い教養を身につけた生徒を育て、政治、経済、法律、学術などの分野で国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を目ざす。全国の高等学校および中高一貫教育校を対象に公募・審査し、地域バランスを考慮しながら指定する。指定期間は5年で、指定校は生徒の留学経費、外国人教師の人件費、新たな学習プログラム開発費などとして、毎年、平均700万円程度の支援金を受けられる。2018年度時点で123校が指定された。スーパーグローバルハイスクールでは、内外の企業や大学、国際機関などと連携し、外国語を使う機会を飛躍的に増やすため、英語による授業の拡大、グループ討論、論文作成、プレゼンテーション訓練などが導入された。ただ指定校ごとに取り組むレベルに差があるうえ、国費投入のわりには効果があがっていないなどの批判があった。このため政府は2019年度からSGH制度を改め、外交など国際的課題に取り組むトップ人材を育成する「アドバンスト型」と、地域のリーダーを育成する「リージョナル型」の二つに分割し、指定期間も原則3年、小中学校も対象とする方針である。
なお、文部科学省が先進校を指定する制度には、理数教育に重点的に取り組むスーパーサイエンスハイスクール(SSH。2002年度から指定開始)と、専門的職業人を集中的に育てるスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH。2014年度から指定開始)などがある。2018年度時点でSSHは累計261校(うち57校で指定終了)、SPHは累計48校ある。
[矢野 武 2019年1月21日]
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