国際社会(読み)こくさいしゃかい(その他表記)international society

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際社会」の意味・わかりやすい解説

国際社会
こくさいしゃかい
international society

国境によって細かい部分に分断されながらも,さまざまな構成部分の間に国境を越えた有機的な交流があり,その交流を基礎として一定の地理的広がりのなかに成立している社会。厳密な学術的見地からは国際体系とも呼ばれる。主たる構成単位は,独立主権の国民国家であるが,国家に限らず国際連盟国際連合のような国際組織,ヨーロッパ連合 EUのような地域共同体,多国籍企業,地方自治体,民間団体,私人なども構成単位といえる。今日の全地球的・全人類的国際社会の原形は近代ヨーロッパに形成された国際社会である。国内社会と比較した場合の国際社会の特徴は,全体の公権力が存在しないことで,そのため法秩序は主たる構成単位である国家の合意にのみ依存している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android