日本大百科全書(ニッポニカ) 「ズグロカモメ」の意味・わかりやすい解説
ズグロカモメ
ずぐろかもめ / 頭黒鴎
Saunder's gull
Chinese black-headed gull
[学] Larus saundersi
鳥綱チドリ目カモメ科の海鳥。全長約32センチメートルの小形種。中国北部地方・モンゴルの内陸湖沼で繁殖する。冬季には大陸や朝鮮半島の日本海・南シナ海沿岸に移動する。しかし、日本にはまれに渡来するにすぎない。頭部は黒色、嘴(くちばし)も黒色で、目の周りは白い。足は暗赤色で、背はいくらか濃い灰色。そのほかは全体に白い。冬季には頭部の黒色羽が抜け落ちて白色になり、耳部に黒斑(こくはん)が一つ出る。足は黒くなる。繁殖地での食性はよくわかっていないが、越冬期には海岸でカニなど底生動物を食べる。近縁種にユリカモメL. ridibundusがあるが、その頭部は褐色がかり、嘴が赤い点で区別される。
[長谷川博]
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