セスジユスリカ(読み)せすじゆすりか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セスジユスリカ」の意味・わかりやすい解説

セスジユスリカ
せすじゆすりか / 背条揺蚊
[学] Chironomus yoshimatsui

昆虫綱双翅(そうし)目糸角亜目カ群ユスリカ科に属する昆虫。体長約5.5ミリメートル、翅長約4ミリメートル。体は帯緑色。口吻(こうふん)は短小。触角は雄では長羽毛状となる。胸部背面には褐色の小字形の斑紋(はんもん)がある。はねは透明で細い。脚(あし)は細長く、とくに前脚では跗節(ふせつ)の各節が長い。腹部は細長く、各節中央には褐色の輪紋があり、この輪紋は後方の節のものほど前後に長くなる。幼虫は赤色でアカボウフラともよばれ、有機物の多い水域に発生する。従来はヨーロッパ産と同種と考えられCh. dorsalis学名が用いられていたが、近年、日本産は別種として取り扱われるようになった。本州、四国、九州に分布する。

[伊藤修四郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のセスジユスリカの言及

【ユスリカ(揺り蚊)】より

…一方で,ある特定種の成虫の大量発生が起こり,周辺家屋にたくさん飛来して住民の不快感を招くことが多い。とくに都市河川の水底汚泥には高密度のセスジユスリカChironomus yoshimatsui(イラスト)の幼虫が生息し,初夏から秋に体長6mmくらいの淡黄緑色の成虫が羽化飛来する。胸背に縦線の紋をもつ。…

※「セスジユスリカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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