日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
セラフィーム・サローフスキー
せらふぃーむさろーふすきー
Серафим Саровский/Serafim Sarovskiy
(1759―1833)
帝政ロシア最後の聖人。近代ロシア修道信仰の代表者。亡命ロシア人の間にもっとも人気があった。中央ロシアのクルスクで生まれた。幼時、重病にかかり聖母の幻をみた。信仰心厚く、18歳のときサロフの修道院に入り、34歳のとき司祭となる。森の中で隠遁(いんとん)生活を送り、孤独、沈黙に徹し、聖書、聖典を学び、継続的祈りに終始し、柱行者(高柱の上で苦行する)の修行も行った。66歳のとき社会活動を始め、病人の治癒、尼僧院の経営を行う。彼の修道生活は清純で、聖霊の新しい息吹を感じさせた。
[田口貞夫 2018年2月16日]