セルロースミクロフィブリル

化学辞典 第2版 の解説

セルロースミクロフィブリル
セルロースミクロフィブリル
cellulose microfibril

β-1,4-グルカンであるセルロース分子は,分子鎖軸方向に束をつくって結晶化し,微細な繊維を形成している.これを従来よりミクロフィブリルといい,その周囲をセルロース分子の配列の乱れた領域によって取り囲まれている.ミクロフィブリルの幅は木材セルロースで3~4 nm であるのに対し,大きなものでは海草一種バロニアで30 nm 程度である.また,長さは木材で2000 nm 程度にも達するとされている.細胞壁の壁層によって,ミクロフィブリルの走行状態に特徴がある.木材細胞壁についてみると,一次壁では網目状に走行しているように認められるのに対し,二次壁では内層および外層で繊維軸に対して緩やかな角度で走行しているが,中層では急な傾角で走行しており,このことからそれぞれの壁層を区別することができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android