化学辞典 第2版 「せん亜鉛鉱型構造」の解説
せん亜鉛鉱型構造
センアエンコウガタコウゾウ
zincblende type structure
組成がABで表される無機化合物にみられる典型的構造の一つ.立方晶系で空間群F43mの対称をもち,単位格子中に4化学単位が含まれる.AまたはB原子のみに着目すると,面心立方構造の配列をしており,両者は互いに体対角線の方向に1/4周期だけずれている.各原子は異種原子により正四面体的に囲まれる.すべての原子を同一種の原子にするとダイヤモンド型構造になる.せん亜鉛鉱ZnSのほか,AgI,CuCl,CuBr,CdS,CdTe,AlAsなどがこの型の構造をとる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報