日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソデボラ」の意味・わかりやすい解説
ソデボラ
そでぼら / 袖法螺
West Indian fighting conch
[学] Strombus pugilus
軟体動物門腹足綱スイショウガイ科の巻き貝。フロリダ半島南部から西インド諸島には普通にみられる種である。殻高80ミリメートル、殻幅55ミリメートル、重厚で、太く短い紡錘形をしている。螺塔(らとう)は円錐(えんすい)形で、肩角には円錐形の鋭い突起列がある。殻の表面は光沢の強い橙(だいだい)色で、殻口は外唇が袖(そで)状に張り出し、表面より濃い橙色から紫色を帯びる。軸唇にも同系色の滑層が広がる。殻口外唇の下方(前方)にはU字形の切れ込みがあり、前溝、後溝とも明らかである。西インド諸島のラテン系住民は食用とする。
[奥谷喬司]