日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソルン」の意味・わかりやすい解説
ソルン
そるん
Anders Zorn
(1860―1920)
スウェーデンの画家、版画家。南ドイツ人の醸造家の子としてスウェーデン中部のムーラに生まれる。篤志家の援助を受けて、1875年にストックホルムのアカデミーで彫刻を学び、1882年からロンドンに滞在してエッチングを習得する間、まず水彩画で名をなした。1888年、パリに移り油絵を手がけ、選ばれて時のパリ万国博覧会芸術委員、元文化相プルーストAntonin Proust(1832―1905)の肖像を描き名声を得る。光のコントラストを即興的にとらえるのが巧みで、薄明の光芒(こうぼう)や水、官能的な女性などを感傷もなく描き出している。ことにエッチングは国際的評価が高い。生地にソルン美術館がある。代表作『木洩(こも)れ日の中』『夏至(げし)祭りのダンス』。
[三田村畯右]