ソーベテル文化(読み)そーべてるぶんか(その他表記)Sauveterre

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソーベテル文化」の意味・わかりやすい解説

ソーベテル文化
そーべてるぶんか
Sauveterre

フランス南部を中心にみられる中石器時代中葉の文化。幾何学形細石器が最大の特徴としてみられる文化で、三角形の細石器主体となっている。標準遺跡である南フランスのガロンヌ川支流レマンス川沿いにあるソーベテルのマルティネ岩陰(いわかげ)では、タルドノワ文化の下に発見されており、タルドノワ文化より古いことが確かめられている。分布は、タルドノワ文化が西ヨーロッパから中央ヨーロッパ、さらには東ヨーロッパまで広がるのに対して、ソーベテル文化は南フランスを中心にごく狭い範囲の分布である。ヨーロッパで真正の幾何学形細石器を多数もつ文化のなかでは、最古の文化の一つと考えられる。

藤本 強]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android