ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゾグ1世」の意味・わかりやすい解説
ゾグ1世
ゾグいっせい
Zog I
[没]1961.4.9. パリ
アルバニアの最後の王。本名 Ahmed Bey Zogu。トルコ帝国のアルバニア人高官の家系出身。 1912年トルコのバルカン戦争敗北によって独立したアルバニア公国で,1914年軍司令官となり,1916年にはオーストリア=ハンガリー占領軍指導下の軍総司令官に任命された。第1次世界大戦後,共和制をとったアルバニアの首相に就任 (1922.12.~24.2.) 。 1924年民族蜂起が発生したため同年7月ユーゴスラビアに避難したが,同国の援助で軍を組織し,ただちにアルバニアに帰り,同年 12月軍事政権を確立,1925年大統領に選出されて独裁政治を行なった。その後転じてイタリアと接近し,1928年には王制を宣言,みずから王位につきゾグ1世と称した。しかし,1939年4月 B.ムッソリーニのイタリア軍に侵入され,ギリシア,フランス,イギリスなどの外国を転々と逃れ,フランスで客死。
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