タマカビ(その他表記)Sphaeriales

改訂新版 世界大百科事典 「タマカビ」の意味・わかりやすい解説

タマカビ
Sphaeriales

子囊菌類タマカビ目の菌の総称胞子形成器官である子囊果が,多くは暗褐色黒色球形,とくり形で,革質~炭質。子囊果の内部は中空になっていて,細長い子囊という袋が縦に密にならび,子囊内には胞子が縦にならんでいる。代表的な種類には,古畳,わら,壁紙などに生えて繊維を侵すケタマカビケートミウムChaetomium,焼跡の木やトウモロコシの芯に生え,遺伝学研究の材料ともされるアカパンカビ,動物の糞の上によく発生するソルダリアSordariaなどがある。病害菌としてクリの胴枯病をおこすクリノドウガレ病菌Endothia parasitica(Murrill)P.J.et H.W.Andersonが有名で,クリの枝や幹に寄生して枯らし,アメリカ全土に広がりクリに全滅に近い被害を与えたこともある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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