ケタマカビ(読み)ケタマカビ(その他表記)Chaetomium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケタマカビ」の意味・わかりやすい解説

ケタマカビ(毛球黴)
ケタマカビ
Chaetomium

子嚢菌類球菌目の1属。約 100種が知られている。土壌中に生息し,好んで草食動物 (ノウサギなど) の糞に発生するもの,湿った紙,衣服,木綿繊維などに発生するものなどがある。本体は目立たない菌糸で,基質の中に伸長するが,有性的に子嚢殻を生じるときは,基質の表面に現れる。子嚢殻は黒色,亜球形ないし洋なし形で,首を有し,そのまわりに著しい長毛を有しているのでこの名がある。

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世界大百科事典(旧版)内のケタマカビの言及

【タマカビ】より

…子囊果の内部は中空になっていて,細長い子囊という袋が縦に密にならび,子囊内には胞子が縦にならんでいる。代表的な種類には,古畳,わら,壁紙などに生えて繊維を侵すケタマカビ(ケートミウム)Chaetomium,焼跡の木やトウモロコシの芯に生え,遺伝学研究の材料ともされるアカパンカビ,動物の糞の上によく発生するソルダリアSordariaなどがある。病害菌としてクリの胴枯病をおこすクリノドウガレ病菌Endothia parasitica (Murrill) P.J.et H.W.Andersonが有名で,クリの枝や幹に寄生して枯らし,アメリカ全土に広がりクリに全滅に近い被害を与えたこともある。…

※「ケタマカビ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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