タムガ(その他表記)tamgha

改訂新版 世界大百科事典 「タムガ」の意味・わかりやすい解説

タムガ
tamgha

トルコ語,モンゴル語で印章,商税を指す用語。用例としては主として次の4種類があげられる。(1)内陸アジアのトルコ・モンゴル系遊牧国家のハーンの印章。この印章をつかさどる者をタムガチ(印章官)と呼ぶが,この職名はすでに8世紀の突厥(とつくつ)碑文に見える。13世紀のモンゴル帝国ではハーンの印章はアル・タムガ(紅印)と呼ばれた。(2)内陸アジアのトルコ・モンゴル系遊牧民がその所有する馬などの家畜に所有者を明らかにするために付した烙印。氏族ごとに異なった形の印を用いたと思われる。(3)定住後のウイグル人が売買・貸借契約書などの末尾に,証文作成の責任を明らかにするために押した私印。(4)13世紀にモンゴル人が征服した中央アジア,西アジア,南ロシア,カフカスなどの諸地域で商人,職人などに課した税目。イル・ハーン国では,商取引,通関,手工業製品などに課せられた。16世紀ころにほぼ廃止された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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