ためら・うためらふ
- [ 1 ] 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙
- ① 高ぶりや悲しみなどで乱れた気持をおさえる。気を静める。心を落ち着ける。
- [初出の実例]「みいではてぬるに、ためらひて、よりてなにごとぞとみれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
- ② 病気などの苦しい気分を落ち着ける。病勢を静める。体を休める。
- [初出の実例]「まかりありきもし侍らねばなん、そこにも参りこぬ、いまためらひて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)忠こそ)
- ③ ( 気持を静めて、ちょっと間をおくというところから ) 落ち着いて考える。
- [初出の実例]「大臣・大将などよりはじめて、靫負のまつり事人まで、人の耳驚くばかりの官をば、よくためらひて、世の人いはむことを聞くべきなり」(出典:今鏡(1170)五)
- ④ 様子をうかがう。よくよく様子を見る。
- [初出の実例]「戯れて我心を引き為らい玉ふと心得て」(出典:神道集(1358頃)四)
- [ 2 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙 ( 躊躇 ) しようかしまいかと思い迷う。気持がまとまらなくて迷う。ぐずぐずする。躊躇(ちゅうちょ)する。
- [初出の実例]「とかうためらひて、〈略〉別れぬ」(出典:都の別れ(1275))
- 「此容子を見た純之助は暫らく躊躇(タメラ)ったが」(出典:くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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