ダンケルクの戦い(読み)ダンケルクのたたかい(その他表記)Battle of Dunkerque

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダンケルクの戦い」の意味・わかりやすい解説

ダンケルクの戦い
ダンケルクのたたかい
Battle of Dunkerque

ダンケルク撤退作戦とも呼ばれる。第2次世界大戦中,1940年5月 28日から6月4日までの8日間にわたって,イギリスのヨーロッパ派遣軍 22万 6000人とフランス=ベルギー軍 11万 2000人が,フランス北部のダンケルク海岸からイギリス本土へ撤退した作戦。ドイツ軍は,5月 19日にアブビル以西の海岸を確保し,イギリスのヨーロッパ派遣軍を海を背に包囲した。ドイツ軍は包囲環を縮めていったが,24日にヒトラーはドイツ機甲部隊に前進を停止するように命じた。この命令は今日でも謎となっているが,H.ゲーリングが包囲環のなかの連合軍を空軍で粉砕したかったからとか,南からフランス軍の反攻を予想したからとかいわれる。 28日にヒトラーは停止命令を撤回した。そして,一帯をドイツ軍が完全に占領する6月5日までに,イギリスは漁船内航船,石炭船,ヨットなどを含む 850隻のあらゆる種類の船を集め,ダンケルクから 33万 8000人の連合軍とその他からの救出された者も合せて 55万 8000人を撤退させた。

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