ダーヤバーガ(その他表記)Dāyabhāga

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダーヤバーガ」の意味・わかりやすい解説

ダーヤバーガ
Dāyabhāga

インド法律書。 11世紀後半頃,ベンガルでジームタバーハナが著わし,家族の財産権相続法を述べたもの。ここでは,家長たる父は家産を処分する権利が与えられており,それよりややのちに南インドで著わされた『ミタークシャラー』 Mitākṣarā (1120~25頃) の,息子出生によって家産に対する権利をもち,父の家産処分にあたっては息子の同意を得ねばならないという規定とは対照的である。ベンガルではこの書が権威あるものとして尊重され,今日にいたるまで,インドの他の地方と違った相続法が行われている。

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世界大百科事典(旧版)内のダーヤバーガの言及

【ダーヤバーガ学派】より

…インドの2ヒンドゥー法学派の一つ。《ダーヤバーガ》は11世紀末ベンガルでジームータバーハナJīmūtavāhanaが著した合同家族と相続に関する法律書で,後世これの注釈があいついで作られ,ベンガルの法学派が形成され,イギリス支配時代にはベンガルのヒンドゥー家族法の法源とされた。インドの他の地方の法源となったミタークシャラー学派の法に対して,この法では,家父長は大きな権限をもち,家産に対する息子の権利は出生によって生ずるのではなく,父の死後に生ずるとされ,息子たちや叔父・甥が家産を合同に所有する場合,各人はそれぞれの持分をもち,その分は他の成員の同意を得ることなしに処分できた。…

※「ダーヤバーガ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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