精選版 日本国語大辞典「出生」の解説
しゅっ‐しょう ‥シャウ【出生】
〘名〙
① (━する) 生まれでること。しゅっせい。
※百座法談(1110)閏七月一一日「三世の諸仏、般若より出生し給はぬはなし」
※浮世草子・好色一代女(1686)四「されどもよろしき所へ出生(シュッシャウ)して、風流なる出立」
② 生まれた境遇や場所。また、氏素姓(うじすじょう)。
※光悦本謡曲・殺生石(1503頃)「此の玉藻の前と申は、出生出世さだまらずしていづくの誰ともしら雲の」
③ (━する) 才能などが備わること。また、生じること。
※至花道(1420)皮肉骨の事「まづ、下地の生得のありて、をのづから上手(じょうず)に出生(シュッシャウ)したる瑞力(ずいりき)の見所を、骨とや申べき」
④ 物事の起こり。もととなる根拠。
※室町殿日記(1602頃)四「この笈の出生は就中少納言入道信西と聞えし才人の末子に按察の君と申て候ひしが」
⑤ 法律で、人が権利能力を取得する始期をいう。
※民法(明治二九年)(1896)一条「私権の享有は出生に始まる」
すい‐さん【出生】
〘名〙 (「さん」は「生」の唐宋音。「出衆生食」の略) 仏語。食事の時、器から食物の少量を他の衆生のためにとりわけて施すこと。生飯(さば)。
※随筆・南屏燕語(1826)三「出生 生は衆生の義にて、統紀に出二衆生食一是也」
しゅっ‐せい【出生】
〘名〙 =しゅっしょう(出生)①
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報