チオシアン酸銀(読み)チオシアンサンギン

化学辞典 第2版 「チオシアン酸銀」の解説

チオシアン酸銀
チオシアンサンギン
silver thiocyanate

AgSCN(165.95).チオシアン酸銀はIUPACが認める慣用名.付加方式体系名はニトリドスルフィド炭酸(1-)銀.チオシアン化銀,ロダン化銀,ロダン酸銀,硫シアン化銀,硫青酸銀など,多数の通俗名がある.NH4SCNとAgNO3の水溶液反応で沈殿として得られる.無色の単斜晶系結晶で,Ag-S結合は共有性が強く,SCN末端の,Nで隣のAgとも共有性の結合をして,その繰り返しでジグザグ鎖を形成している.Ag-N2.22 Å.Ag-S2.43 Å.S-C1.64 Å.C-N1.19 Å.∠Ag-S-C104°.水や希酸に難溶.アンモニア水やKSCN水溶液には錯体を形成して溶ける.固体は120 ℃ 以上で分解する.[CAS 1701-93-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android