化学辞典 第2版 「フォルハルト法」の解説
フォルハルト法
フォルハルトホウ
Volhard method
【Ⅰ】マンガンの容量分析法.マンガン(Ⅱ)塩の中性溶液に過マンガン酸カリウム標準液を加えてマンガン(Ⅱ)を二酸化マンガンとして沈殿させ,マンガン(Ⅱ)の量を決定する方法.【Ⅱ】銀滴定の一つ.チオシアン酸塩の標準液を用いて銀イオンを滴定し,鉄(Ⅲ)イオンを指示薬に用いて終点を検知する方法.
Ag+ + SCN- → AgSCN(溶解度積7 × 10-13)
Fe3+ + SCN- → FeSCN2+
銀の定量に用いられるほか,間接的な方法により,銅,塩化物イオン,臭化物イオン,ヨウ化物イオン,シアン化物イオンなどの定量に用いられる.この場合には,過剰の硝酸銀標準液を加えて沈殿をつくり,余剰の銀イオンを滴定する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報