ヨウ化タリウム(読み)ヨウカタリウム

化学辞典 第2版 「ヨウ化タリウム」の解説

ヨウ化タリウム(Ⅰ)
ヨウカタリウム
thallium(Ⅰ) iodide

TlI(331.29).タリウムとヨウ素を加熱して直接反応させると得られる.α,β形の2変態がある.α形は赤色結晶.165 ℃ 以上で安定である.融点440 ℃,沸点824 ℃.融点近傍で超イオン伝導体となる.α形を冷却すると165 ℃ でβ形の黄色の結晶に転移する.室温ではβ形が安定である.水に難溶.TlIを少量加えたNaI結晶は,いちじるしい蛍光を発するので,シンチレーターとして放射線検出器に用いられる.そのほか,高輝度放電灯にも用いられる.有毒.[CAS 7790-30-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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