改訂新版 世界大百科事典 「チャウチャウ種」の意味・わかりやすい解説
チャウ・チャウ[種]
chow chow
原産地が中国の番犬。紀元前から中国に存在した地犬で,チベタン・マスチフとサモエードの混血から生じたという説がある。最大の特徴は“黒い舌”で北方系スピッツ族に属する古い犬種。古くは猟犬として用いられ,黒舌犬,熊犬,狼(おおかみ)犬,広東犬などと呼ばれた。18世紀ころ,イギリス商人が中国との交易の際,通じ難い会話の中で交わされた言葉がそのままこの犬種名になったと伝えられる。また古代のモンゴルでは,生活必需品の毛皮用家畜として繁殖され,肉は食用に供されたという。性格は穏和で物静かであるが,家族以外には強い警戒心をもつ。被毛はひじょうに厚く密で,毛色は黒,褐,ファウン(茶)など一枚色で,あたかも縫いぐるみのようである。体高は約50cm,体重は約25~27kgの中型種である。
執筆者:一木 彦三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報