日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャコフスキー」の意味・わかりやすい解説
チャコフスキー
ちゃこふすきー
Александр Борисович Чаковский/Aleksandr Borisovich Chakovskiy
(1913―1994)
ロシアの小説家。ペテルブルグ(ソ連時代のレニングラード)の医師の家に生まれる。1939年ゴーリキー文学大学を卒業、第二次世界大戦中は従軍記者として活躍、レニングラード防衛戦を記録文学的手法で描いた長編三部作『レニングラードの出来事』(1946)で文壇に登場。長編『こちらはもう朝だ』(1950)で旧日本領南サハリンの復興を扱った。長編『封鎖』(1968~73)で巨視的な立場からレニングラード防衛戦の意義を明らかにし、スターリンを復活させて注目された。つねにソ連時代の文壇の主流派に属し、『外国文学』(1955~63)、『文学新聞』(1962~82)の編集長を歴任した。
[中本信幸]
『泉三太郎訳『こちらはもう朝だ』(1952・彰考書院)』