チロシジン

化学辞典 第2版 「チロシジン」の解説

チロシジン
チロシジン
tyrocidine

グラミシジンとともに,枯草菌Bacillus brevis培養液から得られる環状ペプチド抗菌性物質の混合物.A,B,Cの3種類が知られている.

Aの塩酸塩は融点204~242 ℃.-111°(50% エタノール).水に易溶,メタノールに微溶.いずれもグラム陽性菌および陰性菌に有効で,細胞質膜に作用して透過性を乱す.毒性はマウス最小致死量5 mg/kg(静脈).[CAS 1404-88-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のチロシジンの言及

【抗生物質】より

…これにより,微生物が生産する物質のなかには強力な抗菌作用をもつものが存在し,その物質が治療薬になりうるという指導原理が生まれたのである。39年R.J.デュボスは,バチルス菌Bacillus brevisの培養液からグラム陽性細菌の増殖を阻止する物質を結晶として分離し,チロトリシン(のちにグラミシジンとチロシジンの2物質に分けられた)と名づけた。39年からの20年間は抗生物質の黄金時代であり,つぎつぎと新物質が発見された。…

※「チロシジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android