ツァンパ(読み)つぁんぱ(英語表記)rtsam-pa

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツァンパ」の意味・わかりやすい解説

ツァンパ
つぁんぱ
rtsam-pa
tsam-ba

チベット人主食、いわゆる麦こがし大麦を洗って、炒(い)り、篩(ふるい)にかけて籾(もみ)を除いたあと、臼(うす)にかけて粉にしたものをいう。通常、これを食べるときは木の椀(わん)に入れて、茶汁、バターチーズなどとともに指で練り、丸めて団子状にする。裕福な者はこれに肉などの副食が加わるが、ツァンパだけで済ます者も多い。

[佐々木史郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツァンパ」の意味・わかりやすい解説

ツァンパ
tsampa

チベット人の主食。炒った大麦 (裸麦) を石臼でひいて粉末にしたもの。普通はこれにバターや少量の茶汁を入れて練り固め,小さな団子にして食べる。

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世界大百科事典(旧版)内のツァンパの言及

【青海[省]】より

…農業は青稞(ハダカムギ)栽培が中心である。青稞はチベット族の主食ツァンパ()の原料とされる。また,黄河や湟水河谷のほか,チャイダム盆地などでは灌漑農業が発達,小麦,アワ,エンドウのほか綿栽培がさかんである。…

【ヒマラヤ[山脈]】より

… ヒマラヤのチベット人は定住する家をもっているが,夏の間はさらに高い所の夏村に移動したり,テント村を営んだり,移牧的な生活をする。主食は大麦を炒ってはじけさせ,それを粉にしたツァンパで,キャラバン交易で入手する磚茶(たんちや)を削った茶の葉にバターと少量の塩を入れたバター茶を飲み,チーズやわずかの肉,野菜を食べる。
[アッサム・ヒマラヤの山地民]
 ブータンの東アッサム・ヒマラヤには,かつてNEFA(北東辺境管区)と呼ばれ,現在アルナーチャル・プラデーシュと呼ばれるインドの中央政府直轄領が含まれる。…

※「ツァンパ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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