ツノホコリカビ(読み)つのほこりかび

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツノホコリカビ」の意味・わかりやすい解説

ツノホコリカビ
つのほこりかび
[学] Ceratiomyxa fruticulosa

変形菌類のツノホコリカビ属の菌類。成長した栄養体は網目のある半透明の変形体で、複相核を多数含む。栄養体は朽ち木などの基物表面に塊状に現れて白い子実体を形成する。子実体は群生し、高さ1~10ミリメートルの直立円柱状や樹状となったり、表面に蜂(はち)の巣状の区画のある小団塊状となり、その周縁から無数の小突起を生ずる。この突起の表面には、短い柄(え)をもつ栄養胞子が多数できる。この胞子は減数分裂を行って、長短二鞭毛(べんもう)のある配偶子を生ずる。ツノホコリカビ属には3種あるが、他の2種は熱帯系である。ツノホコリカビは寒帯から熱帯までもっとも普通にみられ、形態の違いによって亜種に分けられる。

[寺川博典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例