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寒帯 かんたいpolar zone

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

寒帯
かんたい
polar zone

気候帯のうちで最も高緯度地帯にあり,寒冷で人間生活環境として厳しい地域。数理的には極圏(66°33′)より高緯度地方をさす。一日中太陽が昇らない日と沈まない日が,少なくとも 1年に 1日はある。ウラジーミル・P.ケッペン気候区分によると,最暖月の月平均気温が 10℃以下で樹木限界をこえ,樹木の生育のみられない地域である。冬は太陽の出現時間が短く,年中寒冷であり,降水量が少なく人間の生活に適せず,非居住地域が広い。ツンドラ気候氷雪気候永久凍結気候)とに細分され,ユーラシア大陸と北アメリカ大陸北極海岸一帯と北極海,グリーンランドおよび南極大陸がこれに含まれる。

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デジタル大辞泉の解説

かん‐たい【寒帯】

地球の南北極圏より高緯度の地帯。気候的には寒帯気候の地域をさす。

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百科事典マイペディアの解説

寒帯【かんたい】

極圏より高緯度の地域。極圏は66°33′の緯度線をいう場合と,これより高緯度側の地域をさす場合がある。後者の場合は極圏と寒帯は同義語。少なくとも1年に1日は昼だけ,夜だけの日が出現する地帯。

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世界大百科事典 第2版の解説

かんたい【寒帯 polar zone】

最も高緯度にあって寒冷な地帯をいい,天文学的には極圏(66゜33′)より高緯度の地域である。一般には亜寒帯の極側に位置する無樹木地帯をさす。ケッペンの気候区分などでは最暖月の平均気温が10℃以下の地域をいい,ほぼ無樹木地帯と一致する。さらに0℃を境にツンドラ地域と氷雪地域に区分される。太陽高度が低いため,太陽放射の大半は散乱し,熱や光が不足し,地球上で最も生産力の低い地域となっている。【山下 脩二】

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大辞林 第三版の解説

かんたい【寒帯】

地球の南緯・北緯それぞれ66.33度(極圏)から、南極・北極までの地帯。極寒の地で、ツンドラ地域と永久凍土地域が含まれ、全陸地の17パーセントを占める。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

寒帯
かんたい

地球上でもっとも高緯度にあって寒冷な地帯。極圏(66度33分)より極側の地域をいう。気候的には植生を指標として亜寒帯の極側に位置する無樹木地域をさし、最暖月の平均気温が10℃未満の地域に相当する。寒帯のなかでも夏の日射量の増加により一時的に凍土が融解して、蘚苔(せんたい)類や地衣類が生育するツンドラ気候地域と、一年中氷雪に覆われている氷雪気候地域に細区分される。北半球ではユーラシアと北アメリカ両大陸の極北部、グリーンランド、アイスランド北部などで、南半球では南極大陸が含まれる。地球上の全陸地面積の17%を占めているが、人間の生活や活動にとって、雨の少ない砂漠地方とともに最悪の条件を示し、今日でも人口希薄で、地球上でもっとも生産力の低い地域である。1年は短い夏と長い冬に二分され、極圏を越えると夏至では太陽が没することがなく、冬至には太陽は終日現れない。降水は大部分が雪として降り、量は少ないが、低温であるため蒸発量も少なく、砂漠のように乾燥はしていない。300メートルにも達する永久凍土層の表層が、夏季に融解して湿地となりコケ植物が繁茂する。ツンドラにおける唯一の大形獣はトナカイである。また、この湿原で異常発生するカの大群はツンドラの名物ともいわれ、トナカイを集団で刺し殺すこともある。熱と光が不足するため、農業は望めず、エスキモーやサーミなどの先住民は狩猟や漁労生活をしてきた。しかし、今日では油田などの地下資源や軍事、科学研究、航空路などにとって非常に重要な地域となっている。近年の地球温暖化の影響を強く受ける地域でもある。[山下脩二]

植生

生態学的に寒帯という場合は、極地周辺の寒冷のために高木林、低木林が成立せず、矮性(わいせい)低木と草本によるツンドラ(蘚苔(せんたい)、地衣などの群系)に占められる地域をいい、ユーラシアと北アメリカの北極海沿岸地方、南極および南極海の島が含まれる。一方、北極および南極周辺の地域は植生がほとんど存在しないため、極帯として、寒帯とは区別すべきであるとする説もある。北半球の寒帯に分布する植物は400種内外で、量的にはスズメノヤリ属、ノスゲ属などグラミノイド植物(イネ科植物状の葉が細くて硬い植物)が多い。南極では、70種内外の蘚苔類、400種ほどの地衣類がおもなものとなる。なお、普通は高山帯も寒帯に含める。[大場達之]

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