ツムギアリ(読み)つむぎあり(英語表記)weaver ant

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツムギアリ」の意味・わかりやすい解説

ツムギアリ
つむぎあり / 紡蟻
weaver ant

昆虫綱膜翅(まくし)目アリ科の昆虫のうち、幼虫の吐き出す糸を用いて巣をつくる習性をもつアリをいう。狭義には、ツムギアリOecophyllaをさす。ツムギアリ属は樹上に、幼虫の糸で葉を綴(つづ)り合わせて巣をつくる。女王は1匹であるが、コロニーは大規模で、数本の樹にわたって数十に達する巣をつくって生活する。日本では、琉球(りゅうきゅう)諸島に生息するクロトゲアリが広義のツムギアリとして知られている。この種の幼虫はサトウキビススキ根元、あるいは樹上にボール状の巣をつくる。

[山内克典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツムギアリ」の意味・わかりやすい解説

ツムギアリ
Oecophylla smaragdina; tailor ant

膜翅目アリ科。体長約 15mm。薄茶色の,肢の長いアリ。樹上の葉をそのまま綴り合せ,巣をつくることで有名。数匹の働きアリが協力して,樹上の2枚の葉を顎を使いながら寄せ集めておき,別のアリが大腮でくわえてきた幼虫の吐き出す絹糸でこれらの木の葉を紡ぎ合せ,これを何回か繰返し巣をつくる。巣は直径 15~20cmほど。巣を誤ってたたくと,中にいるアリが大挙して飛出し,咬まれることがあり,咬まれると非常な痛みを感じる。東南アジアに広く分布し,沖縄地方にもみられる。

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